新潟の地で作られる器を季節の料理とともにめぐる連載。第7回目は魚沼市にある「kaya陶房」です。ちなみに、6月4日(金)~6日(日)までオープンハウスを開催。新作はもちろん、お買い得品コーナーなども登場。ぜひ足を運んでみてください。

毎日使える、使いたい 価格もうれしい優しい器
作陶家の駒形悦子さんは東京都西荻出身。越後三山が広がる雄大な魚沼の景観に惚れ込み、この地に移住した。それから38年、作陶一筋。釉薬もすべてお手製だ。

ヤマザクラやクルミの木の灰から作る自然木灰釉(しぜんもくばいゆう)が生む、やわらかで優しい風合い。手びねりならではの、どこかゆるっとした雰囲気によく似合う。

kaya陶房の器がほとんど手びねりで作られているのは、「疲れて帰ってきた時に、ほっとしてほしいんです」といった駒形さんの思いから。「スーパーのお惣菜でもいいから、ゆるい感じの器に盛り付けたら、疲れが抜けそうじゃないですか」。

ろくろを使って作るのは、カップ類とポット、茶碗だけ。「持って使う器は軽くしたいから、薄く作れるろくろで」とのこと。手びねりの器だって十分軽い。「重たいと、出したりしまったりも大変じゃない」。そう、駒形さんの器は、使い手のことを、使い手の食卓や器が使われる情景を、深く細かく考えて作られている。

そして、「使いやすさは値段も含めてと思っているので、気軽に使ってもらうために、手頃な価格にしているんですよ」と。すごい。確かに、どれも思わずプライスカードを見直してしまうほどの価格設定。

ざっくり切った野菜を盛っても、丁寧に作った煮込み料理を盛ってもさまになる。毎日使ってこそ味が出て、愛着が湧く。そんな器がきっと見つかる。いや、見つけてほしい。

kaya陶房の器の数々




作家Profile
駒形悦子さん/東京都西荻生まれ。学生時代にデザインを専攻し、その後、愛知県瀬戸市で陶芸の学校に通い、専門的な知識を学ぶ。以降、独学でこの道40年。絵付けを中心に作陶してきたが、10年前のヒマラヤ登山をきっかけに現在の作風に。
店舗情報
店舗名 | kaya陶房 |
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住所 | 魚沼市青島2566 |
TEL | 025-793-2265 |
営業時間 | 10時~16時 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | あり |
外部リンク | https://www.instagram.com/kayatoubou |
備考 | 不在も多いため、来店の際は事前に連絡を。 |
photo:中田洋介 <中田写真事務所>