新潟の地で作られる器を季節の料理とともにめぐる連載。第10回目は新潟市で作品作りを行っている「長谷川由香」さんの器です。9月25日(土)から10月3日(日)まで、新発田市にある「ギャラリー 栞(かん)」でグループ展を開催予定。ぜひ、その手で触れに、足を運んでみてください。

凜として清々しい 日常に華を添える染付
透けるような白さの地に、藍色のような青色のような可憐な模様が散りばめられた長谷川由香さんの器。凜としていて清々しく、暑さ残るこの季節にぴったりの器だ。

長谷川さんが作る器は、染付(そめつけ)と呼ばれる技法を用いた磁器。九谷焼で知られる石川県から取り寄せた土を使って作る真っ白な素地の上に、呉須(ごす)と呼ばれる顔料で模様を描いていく。モチーフとなるのは、自身が好きだという古伊万里の古典柄をアレンジしたものや、自宅の庭を彩る草花。模様といい、形といい、シンプルで無駄がない。小ぶりで軽く、口当たりのいい薄さに驚く。

「使いやすい器であることはもちろんなのですが、ここ数年は、暮らしが豊かになるものとして側に置いていてほしい、といった気持ちを抱くようになりました。使う人にとって、私の作る器が日常のエッセンスになってくれたらって」。

白磁に映える藍青色。その潔い佇まいは、和食はもちろん、洋食を盛り付けても上品な雰囲気を楽しませてくれる。

長谷川さんはギャラリーやショップを持たない。「売る人のセンスが加わると、新しい価値が生まれるような気がするから」なのだそう。よって、器の販売は各地にある器屋や、県内外のギャラリーで行う個展が中心。9月25日(土)から10月3日(日)まで、新発田市にある「ギャラリー 栞(かん)」でグループ展を開催する。染付の美しさに魅了されてほしい。

長谷川由香さんの器の数々




作家Profile
長谷川由香さん/新潟市生まれ。東京都の専門学校で工芸を学んだ後、瀬戸市の窯業技術専門校に進学。その後も瀬戸市の磁器作家や窯元で学び、地元・新潟市で開窯。近況はSNSで発信中(「長谷川由香」で検索)。
Facebook:https://www.facebook.com/yuka.hasegawa416
Instagram:@some_tsuke_h.yuka
※こちらの記事で紹介している器の購入については、長谷川さんに直接お問い合わせください。
※長谷川さんの器は「暮らしのうつわ 花田」(東京都千代田区)のオンラインショップでも購入できます。取り扱いは定番商品が中心。時期によって売り切れの場合もあります。
photo:中田洋介 <中田写真事務所>