1月25日発売の新潟Komachi3月号「カラダにおいしい発酵の秘密」の中で、こうじブームの立役者の一人、“発酵王子”こと、伏木暢顕(ふしきのぶあき)さんにインタビューをしています。

 

伏木さんは、1975年生まれ。東京都出身。醸造料理人であり、日本の発酵食文化の伝承人として、飲食店のメニュー開発やコンサルティングも手掛け、イタリア、スペイン、フランスなど世界に発酵の魅力を伝えています。Komachiでは私たちと発酵の関係や、健康にいいと言われている「発酵食品のホントのところ」など、3ページにわたって語っていただきました。

 

世界を代表する発酵文化を持つ日本。私たちにとって身近すぎる存在の発酵食品が、実はものすごいパワーを持っていたことが分かってきました。それでは、どうぞ!

 


 

―伏木さんは料理人やフードコンサルタントとして、世界を舞台に日本の発酵食品の魅力を伝えています。まずはじめに、そもそも発酵とはどんなことを指すのでしょうか。

「発酵とは、ある食品に微生物が付いて、その成分を分解したり新しい成分に作り替えるなど、微生物の働きのことを指します。基本的には発酵と腐敗は同じことで、人にとって有益か有害かによって呼び方が変わると考えていいでしょう」

 

―著書の中で『日本は発酵大国で、私たちは菌と共生してきた』と書いています。私たちの生活の中で、どのように発酵が関わっているのでしょうか。

「日本の発酵食品において、一番活躍しているのはこうじです。しょうゆ、みそ、みりん、酢、日本酒、カツオ節も、すべてこうじが関わっています。こうじ菌は世界中に存在し、中国や韓国にも発酵食の文化がありますが、日本ほどは発達していません。日本に生息しているこうじ菌『アスペルギルス オリゼー』が、非常に優れた能力を持っている菌だからです。分解するスピードが速かったり、分解できる物質が多かったり、結果として、日本に発酵食文化が根付き、和食という独自の食文化として花開いたわけです」

 

―日本が世界を代表する発酵大国だと言い切れる理由は、こうじそのものにあったということですね。

日本では欠かせないこうじも、アメリカでは体に悪影響をもたらす悪い菌と言われることがあります。それは、こうじ菌の種類が違うからです。こうじはデンプンを分解してブドウ糖を生成します。これが乳酸菌、酵母、納豆菌など他の微生物のエサになるんです。だからこそ、見た目も味わいもさまざまな発酵食品が誕生したんですよね。昔の人たちはこれが微生物によるものなんてことは知らなかったでしょうから。おそらく神様が行っていることと考えていたんでしょう。そのため、しょうゆやみそ、酒造りは、神事として行われてきた歴史があるのでしょうね」

 

―食材のうま味が増したり、長期間の保存が可能になったり。目に見えない発酵の力は、確かに神様のおかげと考えても不思議がないのかもしれません。新潟において発酵文化が盛んになった背景には、どんなことが考えられるでしょうか。

「実は先ほどのこうじ菌『アスペルギルス オリゼー』は稲穂の先に付くものですから、稲作が盛んな地域は発酵文化も盛んです。東日本でいえば、新潟はもちろん、宮城、福島もそうですね」

 

―確かに新潟には今もなお昔ながらの天然醸造で、しょうゆやみそを仕込む蔵がまだまだありますが……………

 


と、インタビューはここまで!

「調味料は天然醸造がいい?」「発酵食品がカラダにいい理由とは?」「本当に目を向けてほしい発酵食品とは?」など、気になる内容ばかりです。インタビューの続きは、現在発売中の新潟Komachi3月号でご確認ください!