品種改良が進み、安心・安全でおいしい! とパン好きの間でますます注目が高まる国産小麦。

県内でも、国産小麦を使用したパンが並ぶお店が増加の一途を辿っています。
思わず指名買いしたくなる国産小麦のパンの特徴や、おいしさの理由を取材してきました。

 

 


 

■雪の中でも力強く育つ国産小麦「ゆきちから」

 

今回お話を聞いたのは、新潟市江南区にある「丸榮製粉」の松崎正道さん。

 

 

松崎さんは、小麦の製粉・流通を行う「丸榮製粉」と、小麦栽培に特化した農業生産法人「マルエイファーム」に所属。日々、新潟県産小麦を広める活動を行っています。

「国内産の小麦といえば北海道産が有名ですが、実は新潟でも「ゆきちから」という品種が栽培されています」と松崎さん。

 

 

北区、江南区の畑で栽培されるゆきちから。パン屋さんで見かけるという人も多いのではないでしょうか。

「もともと県内でも小麦栽培は行われていましたが、平成5年の米の不作を機に小麦農家が激減。そんな時『耕作放棄地で小麦を栽培したので製粉してほしい』という小千谷市の農家さんからの申し出をきっかけに、小麦の栽培専門の農業法人「マルエイファーム」を立ち上げ、本格的に小麦栽培・製粉に着手することにしました」

 

「ゆきちからは東北生まれで、「東北141号」と「さび系23号」の交配により生まれた品種。10月に種まきをしたら雪の下で越冬し、6月に収穫。積雪が多い新潟の過酷な環境でも力強く育つ小麦です」。

 

 

黄金色の麦穂が辺り一面に広がる、新潟市北区のゆきちから畑。収穫作業にあたっているのは、マルエイファーム代表取締役・大谷勝男さん。

 

パンへの使用を目的に育成を重ねた品種というだけあって、ゆきちからの小麦粉はどんなパンに使ってもふっくら、ボリュームのある仕上がりになるんだとか。

「ハード系とは特に相性がよく、仕上がりはもっちりしっとり。現在、小麦粉として一般販売はしていないので、県内のベーカリーやレストランでゆきちからを使った商品を見かけたらぜひお試しを。おいしさを体感してください」。

 

県産小麦で作る「地産地消」のパン。優しい味わいを体感しに、お店へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

次のページでは、「ゆきちから」をはじめとする国産小麦にこだわるパン屋さんをご紹介します。

 

>>焼きたての香りにうっとり。国産小麦のパンが自慢のベーカリー